2017年度全国PCL準優勝校監督が勝ち続けるコツを語る
こんにちは。明治ポケモン研究会のしーまです。
今年度のPCLが終わり、もう2ヶ月が経とうとしています。
12月初旬のめーぽけチャンネル第三回配信も盛況に終わり、ようやくブログを書く余裕ができました。
以前からTwitterで話していた通り、私がこの2年間PCLでサークルにより良い成績を残すために行った取り組みや考え方を今回記事にしました。
この記事はPCLに参加された方やその大学のOBOGの方など外部の方に読んでもらいたいという意図のもとに書いています。是非最後まで読んでみてください。
1.はじめに
先ず、PCLに関しての私の自己紹介として今までの戦績を軽く紹介しておきます。
1年次:選手としての参加はなし。この頃はポケモン対戦も本気でやっていなかった。
2年次:シングル枠で選手として参加。戦績は覚えていません。
チーム:予選敗退
3年次:シングル枠で選手として参加。予選5戦?全勝。本選リーグ1勝2敗?
チーム:予選全勝で1位通過(合計戦績21勝3敗) 本選リーグ3位で敗退
この年から監督としてチーム運営を始める。
4年次(今年):シングル枠で選手として参加(予選第3節から)。
予選3戦全勝。本選リーグ2勝1敗。決勝トーナメント0勝3敗。
チーム:全国準優勝
昨年に引き続き、総監督としてチーム運営を続ける。
選手として全国PCLに参加したのは2年前が最初です。監督としてチーム運営を始めたのは去年からになります。
2.チームが勝ち続けるために必要な考え方と取り組み
今回記事を書くにあたって、事前にTwitterのアンケート機能でPCL関連の記事にどのよ
うな関心があるのかをチェックしました。
その結果がこちらになります(回答してくださった方ありがとうございます)。
この3つの選択肢の中で私が最も重要だと考えてきたことを最初に書いておきます。
私たちがPCLに参加するに当たって、最も大切にしたもの。それは、
『その一戦までの過程を最大化し、その過程の中で成長する』
という考え方です。
勝った負けたの結果に一喜一憂するよりも、その対戦に向けてどれだけ質の高い準備ができたのか。どれだけ紳士にその一戦に向けて努力できたのかに価値を置き対戦に臨んでいました。
そのような考えを共有することになったのは、PCL特有の緊張感やプレッシャーを私自身感じ、平常心で対戦に臨むことが難しいと感じる場面があったからです。
そのプレッシャーを感じる要因となっているのはPCLのシステムにあると思います。
・PCLの対戦は各節3戦中2勝以上が勝利条件のため1戦負けたら後が無いこと
・全ての対戦が一発勝負であること
・チームの勝数が同じ場合は個人勝数の合計値が大きいチームから順位が付けられる
PCLの対戦はさっくりまとめるとこのようなシステムです。
1勝の価値が大きく、あらゆる要素に覚悟が求められる対戦になることは間違いありません。
その覚悟には、負けることへの覚悟やプレイングミスをしてしまうことへの覚悟などが挙げられると思います。また、このような特殊なシステムだからこその強気のプレイングや構築の選択も許されることへの覚悟も必要です。
かなりハラハラさせられるこのシステムを私自身3年間楽しませてもらいました。
この条件下で各選手は初めから『仕方の無い負け』をしっかりと受け止める必要があるのです。
次にPCLにおける選手に課せられる精神的ストレスを見てみましょう。
・前述のシステムから常に追い込まれた状況下で対戦をしなければいけない(負けても大丈夫な対戦は一戦もない)
・負けても仕方の無い対戦がどこかで生じてしまうため、常に覚悟を持って対戦する必要がある
・対戦への不安感や緊張感がどこかで生じてしまう
これらの精神的ストレスを感じながら選手は戦っています。実際に選手として対戦に参加された方であれば一度は感じたことがあると思います。
このようなストレスはPCLの特殊なシステムと関係性があります。選手はこれらのシステムに向き合い、精神的脅威に打ち勝たなければいけません。大げさな表現かもしれませんが。
一発勝負に臨む覚悟をつけ、緊張感を払拭すること。それは簡単なことではないかもしれませんが、もしそれができればそのチームはのびのびと対戦に臨むことができるのではないでしょうか。
そのためには、対戦の前段階で自分の覚悟に納得性を持たせるだけの準備をするしかありません。その一戦までの過程を最大化することが対戦への覚悟に納得性を持たせるのに最も効果的だと考えています。
「これだけ準備したんだからきっと勝てるだろう。もし負けても悔いはない。」
そう言える準備を対戦までに積み重ねることができれば、チーム全体の士気も上がり、全員で全ての結果に納得ができると思います。
対戦までの過程の充実さが、自信と覚悟を持って対戦できるかどうかに関わってくるのです。
では、具体的にその過程で何をしたのかですが
『机上で作った構築をレートでどれだけ回したか』
『何種類かの構築への選出と立ち回りを整理しテンプレ化する』
このふたつを徹底していました。
準備段階でより多くの相手に対する選出と処理ルートをテンプレ化し、実際の対戦ではその再現をするよう心掛けました。
そうすることで重圧の中でも最適な選出やプレイングができる確立を上げていき、自身の完成度を高めていきました
このような取り組みをした上で負けてしまったのなら仕方が無いですしもし負けてしまっても、『その努力はこの先の人生できっと違う形で実を結ぶ自信になってくれる』と思うことができると思います。
その時の結果に関わらず、PCLに参加したことに心からよかったと言える取り組みをしていきたいですね。
私たちは、この2年間しっかりと実生活に還元できる努力がチーム全体でできていたように思います。
まとめ
・チームが勝ち続けるために『その一戦までの過程を最大化し、その過程の中で成長する』という考えを共有した
・様々な覚悟に納得性を持たせることができるかどうかは対戦前に自分をどれだけ高めることができたのかにかかっている
・大会だけでなく、何か実生活に還元できるような経験としてPCLを捉えていた。
2.勝ち続けるチームの作り方と後輩の育成
次に勝ち続けるチームの作り方と後輩の育成についてです。
私個人の考えですが、強いチームとは毎年コンスタントに勝ち続けているチームだと思います。甲子園で強豪校といわれるようなチームを想像すると分かりやすいと思います。
コンスタントに勝ち続けるだけの戦力を維持し続けるには、先程の『その一戦までの過程を最大化する』という考え方を全員が共有し、なおかつ、次の代にまで繋いでいるかどうかがとても重要になっていきます。
その考えを浸透させるために私が心掛けていたことをまとめてみました。
・コミュニケーションの機会を様々な形で確保する
・先輩と後輩の垣根をなくし仲の良いチームにする
・後輩の育成に注力する
先程も言ったとおり『その一戦までの過程を最大化する』という考え方がしっかりと浸透し、実践されているチームが理想系です。浸透させるにしても、どこまで浸透しているかを確認するにしても、チーム内でしっかりとコミュニケーションを取ってチェックする必要があります。
私のチームではコミュニケーションを高めるために、ルールごとにグループを分け、LINEやSkypeで構築の相談、共有、通話などをしていました。通話は少なくても週2日~3日していたと思います。そして、ルールごとにリーダーを決めて、そのリーダー同士で状況把握をしていました。
それ以外にも飲み会、カラオケ、スポッチャ、アスレチックなどの楽しい企画を何度も開催していました。このような企画を通じてお互いの理解を深め、全員が仲良くなり先輩後輩の垣根もなくなっていったと思います。個人的に一番楽しかったのは夏季休暇の時に行った2泊3日の山中湖合宿です。
このような機会を何度も設ける中で、私たちが大切にしてきた考え方が全員のものになっていったと思います。
次に後輩の育成についてです。今年は2年生のアクアが大きく躍進してくれた年になったと思います。また実験的にこれからポケモン対戦を始めるという後輩も選手に入れることでダイバーシティの高いチームになったと感じています。
まだ、私たちのチームも後輩の育成に関して答えを見つけたわけではないですが、一貫してやってきたこととして
『課題を常に与える』
が挙げられると思います。
・〇〇オフに参加することを目標に、自分なりにあるコンセプトのもと構築を考えさせる
・前期結果を出した構築を実際にレートで使用させ内容を理解する
このような課題を去年から後輩に与えていました。
オフに向け自分で構築を考えさせ後にそれを一緒に振り返ったり、レートで結果を出した構築を回させ、どのような考えのもと組まれているのか考えさせました。
その中で対戦を楽しみながら様々な知識を吸収させることができたと思っています。
また、このような育成に加えて大切にしている考え方を次の代にも繋いでいってくれる後継の育成も重要になってきます。
3.サークルとのコネクションの保ち方
サークルの中でチームをつくり、そのメンバーでPCLに臨むことは構築の調整や気持ちを維持し続ける上でとても大きな意味を持ちます。
その反面、PCLで盛り上がっているのがサークル内でそのチームもしくは一部のメンバーのみになってしまったといった経験のある大学も少なくないのではないでしょうか。
サークル全体で最後まで盛り上がるためにもサークルとのコネクションをしっかりと保つ必要があると思います。
ここからはサークルとのコネクションを保つために私が取り組んでいたことを紹介します。
・対戦予定日や対戦結果をお知らせする
PCLは半年に渡って行われる企画です。最後までサークルの盛り上がりを維持するためにTwitterやメーリスでのアナウンスをするといいでしょう。
対戦が終わった後、選手がTwitterの個人アカウントで勝利報告をする大学もありますよね。
それに対して「ありがとう!」などのリプライが飛び交うような雰囲気づくりのために、予定と結果を報告するのは最低限だと思っています。
ちなみに、うちの大学では勝利報告に対して必ず「ありがとう!」ということにしています。
PCLは1戦負けてしまったらもう後がないからです。1戦勝てば残りの2戦どちらかに勝てばいいのです。次の選手の心の余裕も違ってきます。多くの大学で「ありがとう!」が飛び交うといいですね。
・楽しめる応援の場を提供する
私がサークルとのコネクションを保つ上で『スポーツ観戦のように応援しながら一緒にPCLを楽しんでもらいたい』という思いがありました。
PCLというイベントは全国最強のポケモンサークルを決める大会であるため、サークル全体で盛り上がるべきイベントだと思っているからです。選手以外のサークル員が盛り上がれる要素を考えたところ、応援しかないと思い、その形態を他の大学ではやっていないレベルのものにしようと決めました。
いくつかやってきた取り組みの中で自分がこれはやってよかったと思えるものがふたつあります。
ひとつ目は、12月初旬にも行っためーぽけチャンネルです。この放送の初回と2回目は選手にスポットを当てた内容でPCLや世界大会に向けた意気込みや取り組みを配信しました。
プロ野球が好きな方は自分の推している選手がいると思います。そのようなイメージで選手の取り組みを好きになってくれたらという考えのもと配信を行いました。
少しハードルは高いと思いますが、普段の活動の中で選手発表やエキシビション対戦をやってみるだけでも違うと思います。
ふたつ目が、決勝トーナメント当日に行った応援会です。この日はOBOGの方にも来て頂き全員でサークルパーカーを着て、対戦をスクリーンに映しながらの応援会を行いました。事前にプロフェッショナル風の動画を流すといった余興も好評だった?のかなと思います。
来年は応援する側として応援会に参加したいですね。
まとめ
・対戦の日時・選手・結果などの情報をしっかり伝える
・応援会や配信などでPCLに興味を持ってもらいながら一緒に盛り上がってもらう
このような取り組みを続けることで、最後までサークル全体で盛り上がっていけるのではないでしょうか。
4.おわりに
いかがでしたでしょうか?
すぐに実行できるような取り組みもあれば、かなり抽象的な考え方もあったと思います。その中でもマインドの共有は個人的に結果を大きく変えるうえで必要だと思います。これを怠らなかったからこそ、結果に結びついたんだと思います。
今年はそういった意味で私たちにとっての『証明の年』でありました。全国準優勝という結果を見れば充分証明に値する結果を出すことができたと思います。
かなり長い記事になってしまいました。軽くだけ内容をおさらいしておくと。
①対戦の結果に一喜一憂するのではなく、一戦一戦の過程を最大化し自身が成長できたかどうかに価値を見出しましょう。また、その考えをみんなで共有しましょう
②コミュニケーションの盛んなチームを作りましょう
③選手以外のサークル員やOBOGの方も一緒に楽しめる企画を考えましょう
この記事を読んで頂いた他大学さんのPCLへの取り組みがより良いものになり、PCLという大会がいままで以上に盛り上がるイベントとして発展していってくれることを願っています。
何かありましたら、私のTwitterアカウント(cimapoke1020)までお願いします。
早稲田祭・S6使用構築① カバマンダガルド
こんにちは。しーまです。
この構築は先日の早稲田祭でのシングル大会とS6の終盤に使用した構築になります。
〇コンセプトと構築までの経緯〇
私自身がS6で別に使用していたナットドランへの崩しとして、素早さに多く努力値を割いた剣舞ギルガルドが有効に働くと考え構築を組み始めた。相手のヒードランを落とした後に通りのいいスカーフテテフを添え、取り巻きを決めていった。
〇個別解説〇
ギルガルド@ゴーストZ
意地っ張り バトルスイッチ
159-88-171-×-172-109(シールド時)
調整意図
・4振りロトム抜き抜き
・ダウンロード調整
今回のコンセプトである素早さに多く努力値を割いたギルガルド。剣舞タイミングの後出しH252ヒードランを+2せいなるつるぎで確定で落とすことができる。
カバマンダガルドのギルガルドは特殊ゴーストZかたべのこし持ちという固定観念がこちらに有利に働いた場面も多く、かなり動きやすかった印象。
とある方のブログにもあったが、ギルガルドとカプ・テテフを被役割対象を共通させる形で選出し、こちらの役割破壊を通す動きは強力だと感じた。
臆病 サイコメイカー
145-×-95-182-136-161
もうひとつのコンセプトであるこだわりスカーフ持ちのカプ・テテフ。相手のウルガモスやポリゴンZ等の積みへのストッパーとしての役割を持たせるため性格は臆病。
構築単位で重めのキノガッサに対して強く出れるねごとを採用した。
意地っ張り いかく
191-187-101-×-101-148
→191-198-151-×-111-168
すてみタックル じしん どくどく はねやすめ
調整意図
・じしんがH145-B105カプコケコに142~168
・最速100族抜き
ギルガルドとの相性を評価して採用。物理に寄せたギルガルドでは、相手のポリゴン2の崩しを遂行するのが厳しいため、すてみタックル+どくどくを採用。
こちらはボーマンダのすてみタックルに後出ししてきたポリゴン2に対して、次のじこさいせいのタイミングで、割と安全にどくどくを選択できる。
ギルガルドのみでは相手の鋼への打点に欠けるため、じしんを採用。どくどくとの相性が良く、サイクルを回すためにはねやすめを採用した。
控えめ ダウンロード
191-×-111-143-116-108
ほうでん トライアタック じこさいせい みがわり
調整意図
・4振りロトム抜き
主にカバマンダガルドが相手をしたくないゲッコウガへの駒。
みがわり+じこさいせいでボーマンダがどくどくを入れた耐久ポケモンを崩していく。
このポケモン1匹で詰めることができる場面も多く、ポリゴン2のみがわりは今後増えてもおかしくないと感じた。
立ち回りの例(左の0から始まる数字はターン数を表しています)
①
ポリゴン2 みがわり
2 ギルガルド 何かに交換
ポリゴン2 ほうでん
②
0 ボーマンダ 何か対面
1 何か ポリゴン2に交換
2 ボーマンダ どくどく
4 ポリゴン2 みがわり
ポリゴン2 どくどくが入らない
腕白 すなおこし
じしん ステルスロック ふきとばし なまける
215-132-187-×-93-67
物理受けクッションとして採用。
相手のミミッキュ、クチート、ミミロップ、メタグロスに投げていく。
メインウェポンのじしん。起点回避のふきとばし。サイクルを回す上で重要な回復ソースであるなまけるまで確定とし、今回はギルガルドとの相性がよいステルスロックにしたが、こおりのキバの採用を検討するべきであったかもしれない。
意地っ張り もうか
153-149-98-×-106-152
→153-200-131-×-106-152
カバマンダガルドが相手をしたくないメガリザードンYや霊獣ボルトロスに強い駒。
カバルドンのステロ展開やポリゴン2のほうでんと絡め、対面と素早さを補助していく。
かなり補完的な採用をしているため、ボーマンダが選出できない時に選出するといった感じ。
〇結果〇
・早稲田祭 グレイシアブロック 4勝1敗 1位抜け 決勝トーナメント 2回戦落ち
・レート戦績 36勝8敗 1950ほど
早稲田祭の最後の対戦は私のプレイングミスで負けてしまったため反省。それが無ければ優勝に手が届いていたと思う。
レートの方もかなり良い勝率であったが、途中で力尽きてしまった。
何かあればこちらまで
@cimapoke1020
あと、ふたつ構築記事を更新すると思います。